【レポート】Innovators’ Talk #44 ユーザーイノベーションと共創による製品開発

普段i-Talkでは、ゲストにイノベーションを起こす実務家をお迎えすることが多いのですが、今回は静岡大学でマーケティングとイノベーションに関する研究を行う、本條晴一郎氏にお話をして頂きました。

テーマは「ユーザーイノベーション」で、ユーザーが製品やサービスの新しい価値ある用途を開発し、イノベーションを引き起こすという現象に関する研究をご紹介頂きました。

企業などの開発者が主導しユーザーの知識を得ながらイノベーションを起こすリードユーザー法とクラウドソーシング、ユーザーがコミュニティを形成しイノベーションを主導するイノベーション・コミュニティについて説明頂きました。事例として、もともと工業用副資材として自動車塗装や建築塗装などで使用されていたマスキングテープが、文具雑貨としてラッピングやコラージュなどの装飾目的で使用され普及する過程が紹介されました。このようにイノベーションにおけるユーザーの役割が大きくなっており、オープン・イノベーションの見方も変わってきており、イノベーションにおける開発と普及の切れ目がなくなってきているとのお話がありました。

この日は本條さんの講演により、経営学やマーケティング分野における研究についてご紹介頂き、私たちのイノベーション観も少し変わったように思います。参加者の皆さんはイノベーションの本質を突く講演に満足されていました。

参加者の皆さんのアンケートより…

・非常に理論的な視点からユーザーと企業とイノベーションの関係を知ることができました。ユーザーと企業の両方が主体であるという点がとても勉強になりました。ありがとうございました。

・ビジネスモデルや価値創造等について学問的(理論的)に捉えることがすんなりと理解できました。特に、経営学のキーワードが教科書的なマーケティングやイノベーションの視点とは異なる事例と理論が斬新です。経営学や何かを作り出す過程のおもしろさに改めて実感しました。

・非常に理論的な視点からユーザーと企業とイノベーションの関係を知ることができました。ユーザーと企業の両方が主体であるという点がとても勉強になりました。

・ユーザーからアイデアなどを募集するという、これまで考えつかなかったことを学ぶことができて本当に良かったです。固定観念にとらわれない考え方が大事だと学べました。

・イノベーションについて新たな概念を獲得することができました。

・イノベーションの考えが変わりました。

・今日のお話はとても体系的・理論的で、実務家として大変勉強になりました。


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