日本のものづくりの中心を担う大阪の町工場。そんな町工場の中でもこだわって製品を作られている中小企業の社長のもとに3日間密着インターンをすることで、経営者の考え方や経営手法を学ぶということをテーマに実施しているプログラム「アプレンティスシップ工場萌えツアー」の実施報告です。
今回は、このプログラムに参加してくれた岡崎さんが自分の体験について共有したいということでレポートを書いていただきました。
このインターンプログラムを経て、もっと社長の元で学びたいと思い、インターン先の企業に長期の有償インターンとして関わることになった岡崎さんのレポートを読んでいただけますと幸いです。
以下、岡崎さんによる体験談。
私が今回の『アプレンティスシップ工場萌えツアー』プログラムに参加したきっかけは、大学からの告知メールでした。もともと「自分自身で事業を始める」ということに興味があり、どのようなインターンがあるのか、どのようなことをさせてもらえるのかについては調べていました。そのなかで、今回のプログラムには「三日間社長に密着し、社長の経営者としての思考や経営メソッドを学べる」との記載があり、他のインターンとは違った雰囲気を感じました。大学生だからこそできる「社長密着」という体験から、自分のやりたいことをするためのきっかけがつかめるかもしれない、と思い参加を決めました。
今回のプログラムは、参加する学生一人にマンツーマンで社長がつき、それぞれが独自の課題を与えられ、学生の視点から企業の課題の解決策を考えてみるというものでした。私は「株式会社大都」へインターンに行き、そこで2つの課題が与えられました。一つは「今回の体験を踏まえ、これからの会社に必要なインターンを考える」こと、もう一つは「新事業である『トラノテ』の認知度を上げる」というものでした。簡単に説明すると、『トラノテ( https://www.torano-te.jp/ )』ではプラットフォーム型のB to B向けオンラインショップ事業を行っており、SEO(Search Engine Optimization)対策を通じて、オンラインショップの現場ではどのようなことが行われているのかを実際に体験することができました。
色々なことを体験する中で苦労した点もありました。特にオンラインショップ事業の業務では、私自身今回のプログラムに参加する前までは全くその業界についての知識がなかったのもあり、どのような問題点があるのか、どうやって改善していくかなどを考えることは非常に難しかったです。ですが社長と一対一で疑問に思ったことを話し、対話を重ねていくにつれて、実は一つ一つの業務にも理由があり意図が隠されてあることに気づくことができるようになってきました。今回のように実際に業務を通じたインターンシップでなければ、ここまで具体的な話はできなかったのだろうと思います。私が大学生であるということもあるかもしれませんが、私の無知からくる質問に対しても真摯に答えてくださり、社会の常識と自分の知識との乖離を知ることができました。また漠然とした経営論ではなく、業務に根差した社長の経営哲学や社員との向き合い方なども知ることができ、
本当に良い経験ができたと感じています。
このアプレンティスシッププログラム全体を通して、私は大学の講義では学ぶことができない実践的な考え方を学ぶことができました。またインターンを通じて社長だけでなく、その社長のもとで働く社員の人たちの考え方も合わせて知ったことで、会社というものがどのように動いているのかを実感することができました。実際の実務に即した「生きた経験」を得たことで、社会で働くことに対する漠然とした不安感が、社会というのは面白いもので、自分の能力やスキルを磨いていけばもっとこれからが楽しくなるのではと思えるようになりました。
またこのプログラムのなかでは普段の日常生活では関わることのない、様々な人たちに出会うことができました。自分が聞いたことのない面白い体験談をしてくださる人もいれば、事業を始めることを考えている人、起業したいと考えている人など本当に面白い人たちに出会うことができました。このプログラムが終わったあとも関係が続いている人もおり、もし面白いことや新しいことを始めたいが何かきっかけが欲しい、という人がいれば、このようなプログラムに一度参加して見ることをオススメします。大学生という、学びに対する「特権」をぜひ活かしてみてください。