2021年11月8日(月)18時から、株式会社BONX CEOの宮坂貴大氏をゲストにお迎えしてInnovators’ Talk #51「雪山から世界へ – 声の力で世界中の現場チームの笑顔と未来をつくる起業家」を開催しました。
学生時代は勉強よりもスノーボードが好きだったという宮坂さんは、雪山で滑っているときにコミュニケーションがしづらいというご自身の経験から着想を得て起業に至りました。
現在では、BONXのプロダクトやサービスは、グローバルに著名なラグジュアリーブランドや高級ホテル、航空会社、救急医療などの現場で使われています。
これだけの「想像もしなかった」広がりを見せているのは、最初に雪山という厳しい環境でも話せるものをつくったからではないかと宮坂さんは語ります。
そうした中、起業してよかったと思っているのはチームができたことで、古参の社員が「スノーボードから始まったものがこんなに広がっているのは素晴らしいじゃないですか…」と泣きながら語るのを見て、宮坂さんは、創業の想いに立ち返ることができ、「チームの笑顔と未来をつくる」ことがやりたかったんだなと気づいたということです。
始まりは「スノーボードを楽しくしたかった」だったのですが、「フィールドで活動しているチームがもっと笑顔に仕事でも遊びでもアクティブに取り組めるように、さらにその人たちが新しい働き方とか遊び方をつくれるようになりたい、それをグローバルにユニバーサルにやっていきたい」というのがやりたかったことだと気づき、それに向かって現在邁進しているとのことです。起業は自分の想いや本当にやりたいことに気づいていくプロセスなのですね。
BONXはハードウェアとソフトウェアを組み合わせたSaas型のビジネス(HeSaaS)をしていますが、現在国内の労働者の約7割を占める現場のデスクレスワーカーを主な対象にしています。ハードウェアを含むスタートアップは一般に難しいと言われますが、実際にそうで、必要なスキルが多い、初期費用が高い、真っ向勝負では大手に勝たない…などなど難しい理由はたくさんあります。そのような中、宮坂さんがハードウェアのビジネスを始められたのは、ハードウェアの難しさを知らなかった「無知」と「楽観性」(根拠のない自信)があったからだと言います。それに加え、ビジネスを続けるためには「運と縁」が重要で、偶然とも言える幸運なキーパーソンとの出会いに関するエピソードをお話して頂きました。そして、「運と縁」を引き寄せるためにはビジョンが必要で、「オーセンティックでピュアな想い」があれば縁はついてくるというお話をしてくださいました。
今回の講演会では、ハードウェアという難易度が高い領域でグローバルに挑戦する宮坂さんの生の声を聞き、心を動かされた方も多かったと思います。素晴らしい講演を聞けてよかったです。
参加者の皆さんの感想より…
- 起業にいたるまでの背景や考え方、製品化の苦労など、ハードウェア含むスタートアップのリアルな現場の話が聞けて感動しましたし、そして勉強になりました。ありがとうございました。
- 知れてとてもよかった内容でした。日本の技術が世界へ広がること願っています。異なる分野の人々がワクワクを共有されているところにさらに感動しました。
- 多くのインスピレーションを受けました。ありがとうございました。